デザイナーのスズキタカユキが、東京オリンピックの開会式において俳優 森山未來のパフォーマンス時の衣装を制作した。
スズキタカユキは、1975年愛知県生まれ。東京造形大学在学中に友人と開いた展示会をきっかけに、映画やダンス、ミュージシャンなどの衣装を手掛けるようになった。2007年にはファッションブランド「スズキタカユキ(suzuki takayuki)」として東京コレクションに参加。衣装提供のほか、パフォーマンスプロジェクト「仕立て屋のサーカス」を立ち上げ国内外で公演を行っている。
森山は髪を後ろにかきあげ、袴のような白いパンツに、同じく白の布を上半身に巻いた白装束でパフォーマンスを披露。新型コロナウイルスによる犠牲者に加えて、1972年のミュンヘン五輪で武装集団に殺害された選手らを追悼したという。同氏のインスタグラムでは「MIKIKOさんを始めとする前年度クリエイティブチームのみなさん、そして菅野薫さんに。平原慎太郎さんを始めとする今年度のクリエイティブチームのみなさん、そして小林賢太郎さんに。ここに至るまでの全ての出逢いに心からの感謝を。連綿と続く繋がりの最中、全ての想いを胸に私は立っていました」といった当初の演出企画チームを含め関係者への感謝の言葉が綴られている。また、投稿の最後には「『未練の幽霊と怪物』の作・演出である岡田利規さんに、最大のリスペクトを。」と記載。「未練の幽霊と怪物」は、東京五輪招致のため新国立競技場の設計者として選ばれたが後に白紙撤回となった建築家ザハ・ハディド(Zaha Hadid)を題材にした鎮魂劇で、森山も出演していた。
このほかスズキタカユキは、コロナ禍のアスリートの姿を表現した開会式冒頭のパフォーマンスにおいて、ダンサーの衣装デザインを担当。アスリートの血管や筋肉、葛藤などの心情を赤い紐を使ったパフォーマンスが披露された。